協和発酵バイオ

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2017.3.1
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グローバルに活躍するリサーチャー ~タイ新工場へ赴任して~

協和発酵バイオの研究職が活躍するフィールドは、国内のみならず海外へと広がっています。ここでは、2015年11月に商業生産を開始した、協和発酵バイオグループで一番新しい生産拠点である、THAI KYOWA BIOTECHNOLOGIES CO. ,LTD.(以降「TK」)にリサーチャーとして赴任している社員の働きぶりをご紹介します。

THAI KYOWA BIOTECHNOLOGIES CO. ,LTD設立について

協和発酵バイオの中核事業の一つである高付加価値アミノ酸の市場は、医薬・医療・ヘルスケア市場の世界的な伸びを背景に近年急速に拡大し、今後も一層の成長が見込まれています。なかでも、アジア地域でのアミノ酸市場は、人口増加、経済成長に加えて生活スタイルの欧米化に伴って急速に成長しています。そのような背景から、将来見込まれる需要増に備え、現在の日本、米国、中国の生産拠点に加え、タイのラヨン県に、最新の生産技術を導入したアミノ酸生産工場を竣工しました。
新工場は2015年11月に商業生産をスタートさせたばかりですが、高品質製品の安定供給を実現すべく、研究・生産・エンジニアなど様々な部門の社員が現地で奮闘しています。

TKの外観

TKの外観

生産技術研究所からタイ新工場へ

生産技術研究所からタイ新工場へ派遣された経緯について教えてください

入社以来、生産技術研究所に所属し、精製プロセスの開発業務を担当していました。精製プロセスの開発とは、協和発酵バイオの強みである卓越した発酵技術によって生産されたアミノ酸を含む発酵液を出発原料とし、種々の不純物を取り除き高品質の最終製品を提供する技術を開発する仕事です。
TKの設立後は、タイ工場での生産開始に向けて、生産技術研究所からタイへ導入する様々なアミノ酸の精製プロセスをラボスケールで検討・確立する業務に従事しました。その後、新工場の商業生産開始が迫った2015年3月からは、これらのアミノ酸の製造プロセスを導入するため、短期派遣という形で現地に赴き、約8ヶ月に渡り、合計6品目の製造プロセス導入は無事完了しました。

しかし、プロセス導入プロジェクトは完了したものの、全く環境の異なる国、工場での製造ということもあり、安定生産に向けては、様々な課題が浮上しました。その中には、派遣中に調整できたものもありますが、そうではないものもあります。そこで2016年2月より、残された課題の解決や更なるプロセスのブラッシュアップのため、タイ工場にリサーチャーという立場で赴任することとなりました。

タイ工場の実験スペースにて

タイ工場の実験スペースにて

生産技術研究所の経験を活かして達成を目指す、3つのミッション

タイの工場ではどのような業務を担当しているのですか?

新工場におけるリサーチャーとしての私の主なミッションは、以下の3つです。ミッションを達成するべく、様々な業務を担当していますが、以前所属していた生産技術研究所は工場併設の研究所だったため、幅広い分野の知識・経験を得ることが出来ました。現在はその経験を活かして、製造部門のみならず品質管理部門やエンジニアリング部門のスタッフとも時には連携しながら、各部門が一体となって業務を進めています。

(1)製造プロセスの高位安定化

製造プロセスの安定化には、収率・生産性の向上が鍵になります。各品目の各小工程の分析・解析を行い、収率改善の余地がないか、ボトルネックステップはどこかということを日々研究しています。例えば、ある品目の製造工程では、想定外のロスが発生していることを特定し、ロス低減のための新法を研究・導入し、年間で億単位のコストメリットを創出しました。

(2)製品品質の高位安定化

製造現場では、どんなに対策を講じても、必ず不良品発生などのトラブルが発生してしまいます(もちろん根絶を目指すのですが)。万が一、不良品が発生した際は、いかに迅速に原因を特定し改善するかが重要です。生産技術研究所で培った製品の化学的・物理的特性への知識を活かして、細かく工程を解析し、原因を予測・特定し、製造へフィードバックしています。このような改善を繰り返していくことで、高品質の製品を安定して供給することが可能となり、お客様からの信頼を守ることに貢献しています。

(3)タイ人スタッフ育成

上記のような業務は、常にタイ人スタッフとともに実施しています。試験配置の組み方や得られたデータからどのように考察するか、といったことをOJTで行い、タイ人スタッフの育成につとめています。加えて、日本から派遣されてきている私だからこそ伝えられる、研究所で培った自社製品への知識をタイ人スタッフに伝えることも心がけています。

実験中

実験中

苦労してコミュニケーションの壁を超え、自信につながった

タイ工場に赴任して苦労したことはありますか?

やはり異国の地ということもあり、現地スタッフとのコミュニケーションには苦労しました。現地スタッフは言語に対する習熟度が様々です。コミュニケーション手段は、通訳、英語、タイ語(単語やジェスチャー)の3パターンがありますが、いずれの場合においても苦労する点があります。たとえば通訳を介し専門的な話しをする場合は、出来るだけ通訳が理解できるような日本語へ変換するなどの工夫が必要ですし、英語の場合は、第二言語同士で会話することになるので、微妙なニュアンスの伝え方には苦労します。タイ語の場合は、ほぼ単語での会話となるので、ジェスチャーや図解での説明が求められます。赴任当初は、スタッフごとの違いに苦労し、悩むこともありましたが、業務の一部として整理して考えるようになりました。具体的には、コミュニケーションを取る相手の「言語に対する理解度」、「これから伝えるべき内容に対する理解度」を予測し、適切なコミュニケーション方法を選択しています。このようにスタッフの習熟度に合わせてと積極的にコミュニケーションを取ることで、今ではスタッフたちに対して個々の案件をどのような形で伝えるべきか、ということを即座に判断できるようになりました。

現地スタッフと

現地スタッフと

慣れない土地での業務は苦労も多いですが、その分達成感や喜びを感じることもたくさんあります。ある案件においては、タイ語で伝えた特別な作業内容が正しく実行され、その後タイ語、英語、日本語の3言語のドキュメントに起こされ社内に情報共有されていき、自分のコミュニケーションによって仕事を効率的に回すことができたという実感を得ました。日本では当たり前のことが当たり前でなく、伝えたいことが正しく伝わって仕事が回っていくということに、喜びと自信を感じることが出来るのは、日本でも英語圏でも感じられない、タイならではのことだと思います。

タイ工場に生産技術研究所と同等の知識を持った人財が集う研究環境を整えたい

今後の展望について教えてください。

タイ工場のスタッフが育つことで、ゆくゆくは生産技術研究所と同等の知識を持った人財が集う研究環境を整えたい、そのための礎を築きたいということが、今の私の目標です。

そのために、私がこれまで学んだことをタイ工場に還元するためにどうすれば良いか、ということを模索し続けています。その一環として、現地スタッフ向けの月例研究報告会をスタートしました。スタート当初は発表後も質問などなく、淡々としたものでしたが、半年経った頃から徐々に質問が出始め、今では活発な議論の場になっています。このようにコミュニケーションが一方的から双方向に変化することで、私自身も大いに学ぶところがあり、双方成長できていることを実感しています。

私の取り組みは小さな一歩かもしれません。ただ、私や今後タイ工場に派遣されるリサーチャーの取り組みが積み重なり、将来の発展に繋がると信じています。

現地スタッフとのランチの様子

現地スタッフとのランチの様子

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