L-Glutathione
(グルタチオン)

グルタミン酸、システイン及びグリシンからなるトリペプチドである。
食品ではブタ肝臓、肉類(牛肉、豚肉)、パン酵母、キウイなどに、またヒトの肝臓にも多く含まれる。
ヒトのほとんどの細胞に高濃度に含まれており、薬物や異物の解毒、体外排泄に関わる。また、生体内の抗酸化物質としても非常に重要であり、過酸化水素や過酸化脂質の還元・無毒化に作用する。同じく生体内の抗酸化物質であるビタミンC, Eの酸化を還元する作用ももつ。
チロシナーゼの阻害活性や抗酸化作用によるメラニン産生抑制が細胞試験や動物試験で報告されている。
薬物中毒、金属中毒、妊娠悪阻などの治療に使われている(日本国内では医薬品)。

参考論文

  • 嚢胞性線維症患者の呼吸機能、体重、BMIを改善 (Visca A, et al., J Cyst Fibros. 2008;7(5):433-6.)
  • クワシルオルコル患児の体重、生存率を改善し、浮腫や皮膚疾患を低減 (Becker K, et al., Redox Report. 2005;10(4):215-26.)
  • ホルムアルデヒドによるめまいの改善 (渡部ら. 免疫アレルギー. 2001;19(1):11-5.)
  • 有機リン中毒患者のコリンエステラーゼ活性を改善 (工藤ら. 日農医誌. 1972;21:3341-51.)
  • リール黒皮症患者の皮膚を改善 (Noguchi Y. Progress in studies on glutathione. 1969:188-90.)
  • ラットにおいてアルコール飲用による酩酊、脂肪肝、脂質の過酸化を抑制 (山本ら. アルコール研究と薬物依存. 1985;20(4):84-5, 1986;21(4):72-3.)
  • ラットにおいてアセトアミノフェンによる肝障害を抑制 (Sugimura Y, et al., J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 1998;44(5):613-24.)

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