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ニュース

2015年3月24日

協和発酵バイオ株式会社
日本薬学会第135年会においてグルタチオンに関する研究を発表

 協和発酵バイオ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小谷 近之)は、グルタチオン*1の経口摂取が絶食による酸化ストレスを介した廃用性腸管粘膜萎縮に対し抑制効果を示すことを、城西大学薬学部医療栄養学科 内田博之 准教授との共同研究において見出しました。この研究成果を2015年3月25日~28日に開催される日本薬学会第135年会において発表します。

<発表の概要>

日時:3 月 27 日(金)
場所:神戸学院大学 B 号館 2F B211(I会場)
抄録番号:27I-pm07
タイトル:絶食による酸化ストレスを介した廃用性腸管粘膜萎縮に対するグルタチオン経口投与の予防効果

【研究の臨床背景】

 臨床現場では、消化管手術の術前術後に伴う消化管運動障害や腸管虚血等、多くの外科的治療において、経口的な食事摂取の欠如により腸管を使用しないために、腸管粘膜の機能的および構造的な変化をきたし廃用性腸管粘膜萎縮が引き起こされることが分かっています。その結果、腸管バリア機能の破綻によって、腸内細菌やエンドトキシンが血管内へ侵入するバクテリアルトランスロケーション (BT) による敗血症合併リスクの上昇や、免疫能低下、腸管機能の復帰障害などが臨床上重大な問題となっています。そのため、医療栄養学の側面から、腸管粘膜を保護する機能性素材の探索は有用な意味があると考えられます。

【グルタチオンと研究目的】

 グルタチオンは生体において解毒や活性酸素の除去等に必須の役割を果たすトリペプチドであり、消化管においても酸化ストレス防御に重要な機能を果たしています。本研究ではグルタチオンのもつ腸管ストレス防御機構に着目し、外来的なグルタチオン経口投与により効率よく生体内の酸化ストレスを軽減し、廃用性腸管粘膜萎縮を予防できるかどうかを検討しました。

【研究の概要】

 まず腸管粘膜委縮の発症機序の上流にある酸化ストレスへの影響を明らかにするため、廃用性腸管粘膜萎縮モデルである絶食負荷ラットにグルタチオンを経口投与した際の影響を評価しました。炎症に関わる誘導型一酸化窒素 (NO) 合成酵素 (iNOS) の腸管内タンパク質発現量はグルタチオン投与群で有意に低下し、空腸内の炎症性NOレベルも有意に低値を示しました。またDNA酸化損傷マーカーである8-OHdGは対照群で顕著に増加しましたが、グルタチオン投与群で有意な抑制が認められました。
 そこで腸管組織への影響を評価すると、絶食負荷ラットでは粘膜障害が惹起されましたが、グルタチオン投与によりアポトーシスが低下し、細胞増殖インデックスが増加することにより、効率的に廃用性腸管粘膜萎縮の軽減が生じることが確認されました。
 先行研究により、絶食初期の廃用性腸管粘膜萎縮では、iNOSを介する炎症性NOが増大し、酸化ストレスにより、アポトーシスが誘導されることが明らかとなっています。本研究から、経口で投与したグルタチオンが、粘膜委縮の発症に関わるiNOSを介した酸化ストレス反応をブロックし、低下した陰窩細胞の細胞増殖能を著明に回復させ、効率的に廃用性腸管粘膜萎縮を軽減することが明らかとなりました。

【研究成果の意義】

炎症性NO、酸化ストレスおよびアポトーシスの関連性が強いにもかかわらず、これらの観点から廃用性腸管粘膜萎縮の抑制に向けての研究は少ないのが現状でした。本研究では、ラットを使用した数日間のグルタチオン経口投与により、廃用性腸管粘膜萎縮抑制のメカニズムを解明するとともに、臨床現場で問題となっている腸管粘膜障害を効果的に予防できる可能性を明らかにできた点で意義が大きく、例えば、手術前後などに状況に応じてグルタチオンを投与しておくことで、腸管粘膜萎縮の軽減を図ることが期待されます。

<用語説明・文献>

*1グルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸が結合したトリペプチド。食品や細胞にも含まれており、薬物や異物の解毒、体外排泄に関わります。また、生体内の抗酸化物質としても非常に重要であり、酸化による傷害から生体を保護する役割を担っています。

 日本薬学会 第135年会は2015年3月25~28日の会期で、神戸学院大学、兵庫医療大学などで開催されます。