2015年9月17日
第70回日本体力医学会大会において
運動パフォーマンスに対するシトルリンの研究を発表
協和発酵バイオ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小谷 近之)は、ラットにおいてプレワークアウト(運動前)のシトルリン*1 経口摂取が高強度の走運動パフォーマンス向上作用を示す事を、筑波大学体育系 大森 肇 教授との共同研究において見出しました。これらの研究成果を2015年9月18日~20日に和歌山県和歌山市にて開催される第70回日本体力医学会大会において発表します。
協和発酵バイオは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。
<発表の概要>
日時 | 2015年9月20日(日)9:00-9:10 |
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場所 | D会場(大会議室) |
演題番号 | O-55-3D-01 |
演題 | L-シトルリン投与がラットの走運動パフォーマンスに 及ぼす影響~中強度運動と高強度運動での比較~ |
<研究の概要>
近年、内因性の一酸化窒素(Nitric Oxide: 以下NO*2)が運動パフォーマンスを向上させるという報告がなされ注目を集めており、アメリカではプレワークアウト(運動前)において、体内のNO産生を向上させる目的で摂取するサプリメントが大きな市場を形成しています。
L-シトルリンは遊離アミノ酸の1種であり、血管内皮においてL-シトルリン-NOサイクルを構成し、NO産生を介して血管の機能維持に重要な役割を果たしています。そのため、L-シトルリンはNOの前駆体として働き、NO産生を介して運動パフォーマンスを向上する作用が期待されます。本研究では、プレワークアウトのL-シトルリン摂取が運動パフォーマンスを向上させることができるのかを、ラットにおいて検討しました。
10週齢のラットにL-シトルリンを経口で投与し、中強度走運動時と高強度走運動時の疲労困憊までの時間を測定したところ、高強度走運動時の疲労困憊までの時間を有意に延長させました。この結果より、運動前のL-シトルリン摂取は高強度走運動におけるパフォーマンスを向上させることが示唆されました。
<用語説明・文献>
*1シトルリン(L-シトルリン): アミノ酸の一種であり、血管を拡張し血流を促すことで、運動パフォーマンスや持久力の向上効果が期待される成分です。
*2NO(一酸化窒素): 体内の血管の細胞で日々産生されている物質で、血管拡張作用を始め様々な生理作用が知られています。