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ニュース

2015年10月23日

英文誌Journal of Novel Physiotherapiesにおいて
シトルリンに関する研究を発表

 協和発酵バイオ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小谷 近之)は、肺高血圧症を発症したラットにおいてL-シトルリン*1 とタダラフィル*2の経口併用投与が症状を緩和して生存率を有意に改善する事を大阪樟蔭女子大学・健康栄養学部・石蔵文信教授との共同研究において見出しました。これらの研究成果がJournal of Novel Physiotherapies に掲載されました。

 協和発酵バイオは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

<発表の概要>

 肺動脈性肺高血圧症とは、心臓から肺に血液を送る血管(肺動脈)の血流が低下し、肺動脈の血圧が高くなることで心不全を併発する病気です。現在の治療法としては血管を拡張し、血流を促進する作用のあるタダラフィルという治療薬が使用されております。
 本研究では、血管拡張作用が知られている一酸化窒素(Nitric Oxide: 以下NO*3)産生作用を有するL-アルギニン*4もしくはL-シトルリンと、タダラフィルとの併用による血管拡張作用の増強効果を検討しました。
 肺高血圧を誘導したラットに、水(コントロール)、タダラフィル単独、L-シトルリン単独、L-アルギニン+タダラフィル、あるいはL-シトルリン+タダラフィルをそれぞれ経口投与しました。  その結果、L-シトルリンとタダラフィルの併用投与により、心臓の肥大を抑制し、コントロール群と比べ有意に生存率が延長しました。一方で、L-アルギニンとタダラフィルの併用では他の群と比べての有意な作用は認められませんでした。
 NOは体内でL-アルギニンから産生されますが、代謝の違いによりL-シトルリンはL-アルギニンそのものよりも効率的に体内のL-アルギニン濃度を増加させることが知られています。今回のタダラフィルの作用増強効果の差もこの点に起因していると考えられます。
本研究の結果により、L-シトルリンとタダラフィルの併用は、タダラフィル単独、L-アルギニンとタダラフィルの併用投与に比べ、より肺高血圧症の治療に有効である可能性が示唆されました。

<用語説明・文献>

*1 シトルリン(L-シトルリン): アミノ酸の一種であり、血管を拡張し血流を促すことで、冷え性改善、運動パフォーマンス向上作用などが知られています。L-アルギニンよりも効率的に体内のL-アルギニン濃度を高めます。日本国内では食品として使用されています。

*2 タダラフィル:血管を拡張し、血流を促すことが知られており、肺動脈性高血圧症や前立腺肥大の治療薬として使用されています。

*3 NO(一酸化窒素):体内の血管の細胞で日々産生されている物質で、血管拡張作用を始め様々な生理作用が知られています。

*4 アルギニン(L-アルギニン):アミノ酸の一種であり、NOを産生して血管を拡張し、血流を促す事が知られております。

文献Ishikura F. et al. Journal of Novel Physiotherapies. 5(4) 269,2015.