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研究開発トピックス

シチコリン

シチコリンとは

「シチコリン」は、脳などの神経細胞にある細胞膜を維持するはたらきを持っている体内成分です。主に医薬品として脳梗塞や脳卒中、外傷性の脳障害や、緑内障などの治療に用いられる「ナトリウム塩」と、認知機能向上をサポートする健康食品等に使われる「フリー体」の2種類があります。
世界各国で長年にわたり脳疾患の治療薬や認知機能の向上をサポートする健康食品等に利用されており、高齢化によって世界中で急激に需要が高まっています。
素材の用途は各国の法令により定められており、医薬品用・食品用のいずれで使用されるかは、国・地域により異なります。日本では医薬品にしか使用が認められていませんが、欧米では健康食品等の素材としても用いられます。

世界の市場ニーズと主な用途

シチコリンの機能

病気治療

脳梗塞・頭部外傷など脳の病態時に、神経細胞膜の構造を維持し、脳機能障害を抑制することで神経の保護作用を示すといわれています。また、アルツハイマー病・パーキンソン病・緑内障の患者に対する神経の保護作用も報告されています。

健康維持

高齢者でシチコリンの摂取により記憶力が向上したとの報告があります。また、中高齢女性や若年層男性で、注意力向上に有効だったとの報告もあります。これらの臨床試験の報告から、加齢により衰えてくる認知機能をサポートする成分としてシチコリンの活用が期待されています。近年、仕事や勉強などで記憶力・集中力をアップさせたい若年層からの注目も集まっており、ニーズにあわせてその用途を広げています。
さらに、米国での研究において、高齢者の記憶力全般、特に「エピソード記憶」に改善がみられたことから、「加齢による記憶力低下」に有効なことも証明されています。

※個人が経験した出来事に関する記憶。例えば、昨日の夕飯をどこで誰と何を食べたかといった記憶

協和発酵バイオのシチコリン研究の歩み

シチコリンは化学合成法で生産が可能でしたが、高コストで少ししか作ることができませんでした。しかし1990年、協和発酵バイオの発酵技術により、低コストで大量に、安定的に生産が可能となり、世界中に高品位なシチコリンを廉価に供給することが可能となりました。
これは、当社が長年培ってきた「核酸発酵技術」と、「酵素活性を強化した微生物」を組み合わせた独創的な発酵生産プロセスです。

[製造工程]

糖類(出発原料)→ 微生物発酵 → 不活化 → 精製 → シチコリン

1990年 発酵法によりシチコリンの製造を開始
1992年 日本農芸化学会1992年度大会で農芸化学技術賞を受賞
「実用的なATP再生系の構築とヌクレオチド類生産への応用」
2021年 製造設備を、協和発酵バイオ山口事業所に増設開始
2022年 日本農芸化学会2022年度大会で農芸化学女性企業研究者賞を受賞
「機能性食品としてのシチコリンの用途開発研究」
2023年 シチコリン製造設備立ち上げ準備中

今後のシチコリン利用用途

「脳の健康」を支える「シチコリン」を安定供給し、加齢に伴う脳機能低下予防、集中力やパフォーマンスの向上といったニーズに応えることで、「脳の健康」サポートが可能な社会を実現し、世界の人々の健康に関する社会課題の解決に貢献していきます。

今後のシチコリン利用用途

医薬品

脳卒中の治療薬として、事故による外傷性の脳機能障害、緑内障治療薬として、注射剤・経口剤・点眼薬など幅広い剤形で展開。

予防

加齢により衰えてくる認知機能向上をサポート。シチコリンの高齢者に対する有効性を学術誌等で論文発表。

食品・飲料

仕事や作業効率向上を求める人々へ、手軽に摂取できる飲料や加工食品などに広く応用が可能。サプリメント大国である米国では、協和発酵バイオのグループ会社・KYOWA HAKKO U.S.A. INC. から、「Cognizin®」の名前で発売し、米国のシチコリンNo.1ブランド。

参考文献

  1. Kennedy EP. Sailing to Byzantium. Annu Rev Biochem. 61: 1-28, 1992
  2. Trovarelli G, de Medio GE, Dorman RV, Piccinin GL, Horrocks LA, Porcellati G. Effect of cytidine diphosphate choline (CDP-choline) on ischemia-induced alterations of brain lipid in the gerbil. Neurochem Res. 6(8): 821-33, 1981
  3. Agnoli A, Ruggieri S, Denaro A, Bruno G. New strategies in the management of Parkinson's disease: a biological approach using a phospholipid precursor (CDP-choline). Neuropsychobiology. 8(6): 289-96, 1982
  4. Caamaño J, Gómez MJ, Franco A, Cacabelos R. Effects of CDP-choline on cognition and cerebral hemodynamics in patients with Alzheimer's disease. Methods Find Exp Clin Pharmacol. 16(3): 211-8, 1994
  5. Ottobelli L, Manni GL, Centofanti M, Iester M, Allevena F, Rossetti L. Citicoline oral solution in glaucoma: is there a role in slowing disease progression? Ophthalmologica. 229(4): 219-26, 2013
  6. Nakazaki E, Mah E, Sanoshy K, Citrolo D, Watanabe F. Citicoline and Memory Function in Healthy Older Adults: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Clinical Trial. J Nutr. 2021 Aug 7;151(8):2153-2160.
  7. McGlade E, Locatelli A, Hardy J, Kamiya T, Morita M, Morishita K, Sugimura Y, Yurgelun-Todd DA. Improved Attentional Performance Following Citicoline Administration in Healthy Adult Women. Food and Nutrition Sciences. 3(6): 769-773, 2012
  8. McGlade E, Agoston AM, DiMuzio J, Kizaki M, Nakazaki E, Kamiya T, Yurgelun-Todd D. The Effect of Citicoline Supplementation on Motor Speed and Attention in Adolescent Males. J Atten Disord. 2015 Jul 15. pii: 1087054715593633. [Epub ahead of print]
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